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1年前の今日は人生の生まれ変わり日。

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今日は満月。そして、私は今、マレーシアに住んでいる。ちょうど1年前の10月16日金曜日、午前10時は私が生まれ変わった日だ。仏教の行で言ったら、満願日なのだと思う。

1年前の早朝、ラヴァコラ(9km離れた街)から最後のカミーノの行程をサンチアゴ・デ・コンポステーラを目指して歩き始めた。これが最後。800kmの道のりは、毎日がミラクルだった。あの日々は忘れようと思っても、到底忘れられない思い出でいっぱいだ。身体的にも苦痛もあった日々だったし、精神的にも自分が強くなれた日々でもあった。

幸い、空が朝から奇跡のようにサンチアゴを目指して歩く私を祝福してくれた。ドラマチックな朝焼けは、今まで歩いて来た山あり、谷あり、行けども行けども平坦な道で蜃気楼が見えるような何もない場所を歩いたこと、怖かったり、楽しかったり、痛かったり、苦しかったり、感謝の涙で溢れたり、幸せだったり、感動したり。

それの総仕上げのような空だった。

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モンテ・ゴザの丘に到着。ここからいよいよ、サンチアゴに入る。

あまりにもの美しさにしばし佇み、来た道を思い起こした。これで最後。でも、なんの感慨も湧いて来なかった。ただただ美しい空に見惚れている自分がいた。明日から、私はどうするのだろう?

行程では、その翌日から実は、サンチアゴから100km先のフィステラとムシアの西の果てまで、また歩くことになっていた。なので、休みもせずに歩くのだけれど、カミーノ・デ・サンチアゴはこれでおしまいだ。

この丘のすぐ近くの小さなチャペルで、サンチアゴ到着前のスタンプを巡礼手帳に押して、朝食を近くのバルで摂ってまた進む。このバルで、最初の頃、カミーノで会ったきりの韓国系アメリカ人とバッタリと出会った。全然今まで会わなかったのは、どうしてだろう?

私は元々、ひとりで歩いていた。かなりのソロリスト。その方が、自分を知る良い機会でもあった。

だんだんと、サンチアゴの郊外に近づき、交通量も格段に増え、周りの景色も人工的で殺風景な感じになって来た。今までの感動していてピュアな心持から、無機質でなんとなく非情な雰囲気の世界への突入の瞬間だった。

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これが、サンチアゴに到着しましたよ、というサインのような文字を見たときにちょっと落胆したことを覚えている。

えっ?これが、カミーノの最後なの?何にもない。感動も覚えない。道はゴチャゴチャしていて分かりづらく、地図を見ながら歩くのだけれど、とにかく無機質で自分の心が次第にトゲトゲしくなるのを感じていた。

なんだろう?これは。落ち込むなぁ... 今までの感動の日々は一体、何だったんだろう?

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途中のバルで、このワンコちゃんに出会い、なんとなくささくれ立った気持ちを慰められた。

だんだんと旧市街に入って来ると、とたんに現金なもので、なんとなく早く早く、聖地コンポステーラに着くよ!と気持ちが急いて来た。

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いろいろなショップが立ち並び、もうすぐハロウィンなんだと思わず...

旧市街はヨーロッパのどの街でも、ちょっと小高い丘の上に大聖堂があるのが普通なのだけれど、だんだんと坂道になって来たのが分かり、聖ヤコブの眠る大聖堂ももうすぐだと理解した。

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そして、いよいよ大聖堂!この大聖堂の前にちょうど着いたときに、まるでそれまでの私のカミーノを祝福するかのように、なんと大聖堂の鐘が午前10時を知らせる鐘の音を街全体に響き渡らせた。ビックリしてiphoneの時刻を確かめると、10時ちょうど!これこそ奇跡。満願の10だった。

しばし、大聖堂の前で記念写真を撮ってから、ミサの始まる時刻前に巡礼事務所に行って、カミーノ制覇した巡礼証明書をもらってこなくちゃ!

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あいにく朝の朝焼けはどうしたことか、曇り空で寒々としていた。

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ここでいただきました。ありがたや~!

そして再び、十分に間に合って大聖堂の中へ。この日は、金曜日でミサ中にボッタフュメロ(香炉)を焚く日であるようだった。

前から2列目の席を確保して、別のカミーノ、『ポルトガル人の道』を歩いて来た男性と隣同士になり、自分たちの今までの行程を話し合ったりしているうちにミサが始まった。

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そして、最後の方にいよいよボッタフュメロの儀式が始まった。

ロープに吊るされた香炉の中に火を入れてフランキンセンスやミルラ、シーダーウッドなどの香木のお香を焚き、ロープをこれらの男性たちが高々と教会堂の左右翼に振り上げるのだ。ブーメランのように左右に行ったり来たり、アーチ形の天井まで届くかのように高々と香炉は揺れ上がる。

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ひとりの修道女のアカペラで歌うソプラノのミサ曲に合わせて、ボッタフュメロが飛んでいく様を見るのは神々しく畏敬の念に襲われた。

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その香炉も、彼らの所作で終わりに近づき、ミサが終わった。この時にまだたくさんの人たちがいたので、聖ヤコブは遠くから見るだけに留めておいた。またその夜のミサにも参加するつもりだった。

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聖ヤコブの像が置かれている祭壇。この下にクリプトがあって、そこに聖ヤコブの亡骸の一部が安置されているらしい。

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ゆっくりと外に出て、どうしよう?と思っていたら、イレインに出会った。彼女は、大聖堂のすぐ真横にある、昔のカミーノの巡礼者救護院だった5つ星パラドールに泊まるらしかった。ここは1泊が3万円近く。到底、足も出ない私。巡礼者の中には、最後に豪勢にここパラドールに泊まって、カミーノをお祝いする人たちもいた。

彼女に誘われて、パラドールの外にあるカフェでランチを。

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ちょっと場違いの私たちではありましたが、さすがカミーノのお膝元のパラドールは、手厚く巡礼者たちを今でももてなしてくれます。

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大聖堂は寒かったので、まずは紅茶とクッキーで温まってから、ガッツリとハンバーガーを。

これが記念のランチとなりました!

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ランチの後、広場でバッタリと今度はゲイルに会った。彼女とイレインは友だちでオーストラリアから。この2人は最初は一緒に仲良く歩いていたのだけれど、途中でゲイルが足を怪我して5日間リタイア。その時に私は彼女とプライベート・アルベルゲ(巡礼宿)で1晩だけ同室になり、その後も何回か出会ったのでした。イレインとは、一緒にこそ泊まらなかったけれど、道で前後して会うことが多く、フィステラへの行程でも何回も会ったりして。

再びゲイルが調子を取り戻してから、またこの2人は一緒に歩き始めたのですが、だんだんと仲たがいして一人ずつ歩くことにしたようです。最後にはめでたくまた仲直りして最後のサンチアゴの晩では2人で、パラドールで泊ったのでした。

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ホテルを見つけ出し、落ち着いてから再び旧市街へ。アーモンドのサンチアゴケーキを食べてみた。素朴なおいしさ!

ひとりで夕ご飯(!最後までひとりぼっち。笑)を食べてから、再び夜のミサへ。最後だけは、きちんと締めくくり。

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本当に歩いたんだね、私。あれはもしかしたら、幻だったんだろうか?

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ひとりで800km歩いて、初めて自分を知る、愛するということを知った。どんな自分でも愛おしい。自分を判断することなしに、初めてありのままの自分を受け入れるということを学んだ。

これが最大の収穫だったと思える。最初のカミーノはまずは自分を知ること、愛すること。次のカミーノでは何を学ぶのだろう?

ラヴァコラからゴザの丘までの感動に溢れる道のりから、サンチアゴ郊外から大聖堂までの道のり。相反する心情を味わったのだけれど、あの殺伐とした小1時間の道のりは実は最も大切なカミーノでの道のりだったんだと気づいた。

目的達成前の最後の殺伐とした時間、道のり。これは人生のどの局面にも当てはまる。これがあるからこそ、達成感があるのだから。

カミーノは、実にたくさんのことを私に与えてくれ、学ぶ機会も多々あった。

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でも、一番感動したのは、最後にこの大聖堂で聖ヤコブの首に背後から抱きつき、「ありがとうございます」と伝えたときだった。あんなに甘美で優しい時間の流れを覚えたことは、人生初めてだったと思える。カミーノ最後に聖ヤコブに抱きついて無事を報告できたときには、何もかも許されて、これからもまた自分を愛し、大切に生きるという、彼との約束みたいなものだったと思っている。

Buen Camino!
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Re: No title

Rちゃん、早い~!!!
1年なんて、あっという間。
サポートありがとう^^ おかげさまで、みんなにサポートしてもらって無事に歩けたと思う。
助かりました♡

FB申請しておいたよ。
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minou

Author:minou
マレーシアのスバンジャヤで、ミーシャとカリッシと夫と生活中。 
好きなものは、美味しいもの、旅行、美しいものを見て写真を撮ること、瞑想、ヨガ、絵を描くこと、まったり独り時間。
楽しく愉快な毎日を過ごしています♡




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